「東大ポポロ事件」元被告、千田恵美さん死亡 93歳、元横手市長

2024-12-22

著者: 海斗

1952年(昭和27年)に東京大学で学生劇団ポポロが演劇を上演中、学生らが警官を見つけて警察手帳を奪うなどの暴行を加えた「東大ポポロ事件」元被告の千田恵美さん(千田・えみ・さん)が、10月20日午後3時35分、秋田県湯沢市の病院で亡くなった。93歳であった。

千田さんは男子学生らと共に、警官の腹部を殴打してコートのボタンをもぎ取るなどの暴行を加えたことから、暴力行為による罪で起訴された。この事件は、大学の自主性や学問の自由を巡る重大な論争を引き起こした。

千田さんは、大学の自治が論点となった。この事件の裁判では、東京大学の自律が争点となり、一審東京地裁は無罪、一審東京高裁も一審判決を支持したが、73年に最高裁が「大学の自治や学問の自由の範囲外」として有罪が確定した。

千田さんは横手市出身で、59年から横手市議会に3期、71年から横手市長に2期務めた。その後、政府の地方分権推進委員会の専門委員も務めた。

自宅は同県横手市四日町5の28。告別式は24日午後3時半から横手市境中町3の14、正善寺で行われる。葬主は長女の福田正人(ふくだ・まさひと)さん。