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スマホが高くなる? 26日のガイドライン改定はスマホ販売をどう変えるのか【石野純也のバイトル通信SE】

2024-12-23

著者: 愛子

端末購入補助や通信料金割引を規制するガイドラインが、12月26日に改正される。この改正を受け、端末価格が見直される可能性が高くなった。現在の価格体系だと、ガイドラインに対して厳しさがあるからだ。 同時に後者の料金割引の規制が一部緩和されることで、6か月間の「お試し割」を導入するキャリアも出てくる可能性がある。これでは、間もなく始まる新ガイドラインの影響を考察していこう。

23年ガイドライン改正の成果と課題

'23年のガイドライン改正では、端末の割引が“総額”で最も高い44,000円までに制限された。それまでの、回線契約に結びつく割引が22,000円までだった一方、端末単体への割引は自由に行われていた。結果として、一斉で端末を価格引く手法が横行。これに対する規制として総額割引規制が導入され、大幅な端末単体価格引きは姿を消した。 代わりに端末購入プログラムを活用し、実質価格を下げる手法だ。

端末購入プログラムとは、1年内しは2年後の下取りを条件に、減額を提案することを指す。これ自体は以前から導入されていたものだが、減額を高めに見積もり、割引と組み合わせることで実質価格を引き上げる動きが顕在化していた。 中でも、ソフトバンクはアグレッシブにこの手法を活用。最新のiPhone 16(128GB版)は1年実質36,000円、Pixel 9は2年実質24,000円で販売されている。10万台前半の価格を抑えたハイエンドモデルも、1年36,000円や2年24,000円で販売されることが多かった。 こうした売り方が成り立つのは、割引とは見なされない高めの残価を下取りで引き出せるから、またはその高い残価で割引と密接に合わさっているからである。

12月26日に変わるのは、この買い取り価格の予想方法だ。

改定ガイドラインで変わること

これまで同じ端末でも買い取り価格の予想がキャリアごとにばらついていたため、改定後のガイドラインには、必ずそれに沿った割引内容をキャリアが提示するという内容が明記される。新たに中古携帯電話店の業界団体であるリユースモバイルジャパン(RMJ)が公表した平均価格を用いることが明記された。 キャリアの下取りと異なり、RMJの買い取り価格はそこに一定の利益を乗せ、別のユース業者に販売することを前提としている。おそらく既存のキャリアよりも安価な傾向がある。たとえば、iPhone 16の1世代前にあたるiPhone 15は、10月目の買い取り価格の平均が80,114円。Pixel 8はさらに下落率が高く、8月目には48,010円まで買い取り価格が下がっている。このままだと、キャリアの買い取り価格が「増えすぎ」て確定されることになる可能性として、強い影響が見込まれる。

具体的には、今後のガイドライン改定によって、端末購入者が回線契約を結ぶ条件で行う各社の施策がどうなるかが重要になってくる。

現在のガイドライン改定において、端末が新規の高額料金を持つ業者におけるリユース市場、及び中古電車販売業者による各社の割引施策が影響される。特に、MVNO(仮想移動体通信事業者)にも影響を及ぼす可能性が高く、安価なプランを展開する同社たちが、競争を意識しながらも施策を強化する必要がある。ここで注目すべきは、新たな業界の流れである。

キャリアとMVNOの競争が活発化し、価格が高止まりするというジレンマに直面している。