東北大学、研究・能力強化25年計画始動!国際頂尖研究大学認定へ - 日本経済新聞

2024-12-24

著者: 蒼太

東北大学、研究・能力強化25年計画始動!国際頂尖研究大学認定へ

東北大学は、24日に政府が創設した10兆円規模の大学ファンドで支援される「国際頂尖研究大学」に認定されたことを発表し、今後25年間の研究力、競争力の強化計画を明らかにしました。このファンドの支援を受け、世界最高水準の研究大学を目指すための取り組みが進められます。

この大学ファンドは、資産の運用益を基に、特に高エネルギー物理学や材料科学などの分野での研究資金を手厚くすることを目的としています。具体的には、前回の助成にない巨額の資金が投入され、研究の国際化を促進するための施策が実施される予定です。

また、同大学は「競争力強化計画」として、25年後には民間企業からの研究資金の受け入れを86億円から959億円に増やす方針を打ち出しました。これにより、目標としている論文数を現在の9倍の6000本に増やす計画も盛り込まれています。

さらに、今後の医学研究においては、次世代放射線治療システム「ナノテラピー」など最先端の設備を整え、民間からの資金調達を呼び掛けていく方針です。

国際化も進められており、学部の留学生比率は現状の2%から20%に引き上げ、外国人研究者の比率も9%から30%に達する見込みです。

2025年度の助成額は154億円を上回る見込みで、東京大学や早稲田大学などの有力大学との競争も激化しています。来る6月には「日本にとってラストチャンスとなる大学改革を先導する」という発言がなされ、資金を教員の待遇改善などに注力する方針が主張されました。

文部科学省は24日から、国際頂尖研究大学の第2次公募を始め、2025年5月中旬に選定される運営機関を決める方針です。最終的に数校が選ばれる見込みです。

すでに東北大学や早稲田大学、東京大学などが2度目の公募に応募している方式を示しており、支援の原資となる大学ファンドの23年度の運用実績は、評価損益を含む運用成績は9934億円のプラス、株式の配当や確定した損益を合算した損益計算書上の当期利益は1167億円の黒字でした。26年度末までに7500億円の運用利益達成を目指しています。

この動きは、大学の研究環境を大きく変える潜在能力を秘めており、日本全体の科学技術の発展に寄与することが期待されています。