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DICの川村記念美術館、休館を2カ月延長 来館者数は5倍増か

2024-09-30

DICは30日、運営するDIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)の休館を当初予定の2025年1月下旬から3月下旬に2カ月延長することを発表した。8月下旬の休館予定の発表後、日曜敬老の日の来館者数は、発表前と比べて5倍に増加した。DICは、「休館予定を延長することで、来館者数を平準化したい」と述べている。

今回の美術館運営の見直しによる結果は24年12月末までに公表予定であり、東京への移転を検討するなど運営方法の見直しを進めている。競合における資産効率を重視する投資家らから美術館の運営方法の見直しを求める意見が出ていた。

新たな試みとして、DICは「色彩と快適」をテーマに掲げ、美術館の運営を行っている。美術館の土地と建物、所蔵する754点の美術作品の中には、睡蓮やパブロ・ピカソの作品など384点を有しており、ブランド価値(6月末時点、純資産ベース)は112億円に上る。

美術館を巡っては8月の休館予定の発表以降、立地する佐倉市が活発な動きを進めるなど継続を求める声が高まっている。例えば、地域資源を活用した新たな展覧会の開催や、教育プログラムの充実が期待されている。