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地盤沈下の原因「リニア工事の可能性が高い」 JR東海、家屋補修着手
2025-01-19
著者: 弘
静岡県裾野市大場(おおば)のリニア中央新幹線工事現場近くで地盤沈下が発生しており、JR東海は18日の住民説明会で「トンネル工事が原因の可能性が高い」と明らかにした。沈下で傾いた家屋の補修工事が着手されたが、数センチ以上の沈下が生じる可能性を示唆した。同社がトンネル工事と地盤沈下との因果関係の可能性を認めたのは初めてである。
裾野市での地盤沈下は最大7・7センチに達した。同社は14日までに調査対象の家屋の76%を調べたところ、所有者10人から傾きなどについて相談があった。うち数軒をJR東海が補修した。
地盤沈下や港湾の影響などリニア工事に関するトンネル内の状況について、県や国が何度も指摘してきたが、JR東海はこれまで明確に答えてこなかった。今月の調査で毎秒10リットルの地下水(ゆうすい)が流入し、昨夏よりは4割少なくなっていた。解析の結果、地下水による水位低下は長期的に続く可能性があると見込まれている。
同社は水確保のため、木津川支流の神田川流域近くに代替水源を確保する方針で、地下水を区域西側のためにポンプで汲み上げる—といった対策を検討していることも明らかにした。
このまま地盤沈下で水田が傾き、排水しにくくなった用水路があることが判明。緊急対策として排水用の堰(せき)管を設置することにした。この問題がどれほど深刻であるか、引き続き注目が必要だ。現在も調査が続けられており、JR東海は地盤沈下の進展を把握し、速やかな対応を求められる。すでに影響を受けた住民との信頼関係の構築も急務である。間違いなく、これからの対応策が地域の未来を左右する重大な局面を迎えている。