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トランプ氏、対中関税10%検討 「おそらく2月1日から」 大統領就任後は初の言及

2025-01-22

著者: 愛子

【ワシントン=大内清】トランプ米大統領は就任2日目の21日、記者会見し、中国に10%の関税を課すことを検討していると述べた。「おそらく2月1日」に発動する可能性が高いとの見解を示した。大統領就任後に中間選挙に対する関税強化に言及したのは初めてであり、既に主張していた強硬な関税政策が動き出すことを示唆している。この政策による対中関税の強化は世界経済に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要だ。

会見に出席した閣僚らとの同席

トランプ氏は第2次政権の関税政策について、これまで中国製品には60%、カナダとメキシコには25%、それ以外の国には10~20%の税率を課すと述べた。今回言及された対中関税「10%」に関して、同氏は「中国が(麻薬性鎮痛剤)ファンタニルをカナダとメキシコに送っている」とこれに反論した。今後、税率を引き上げるのかどうかは不明である。

またトランプ氏は会見で、米新興企業オープンAIとIT大手オラクル、日本のソフトバンクグループが3社で人工知能(AI)開発を行う新会社「スターベース」を米国内に設立すると発表。今回の発表では「AIインフラ投資は少なくとも5000兆ドル(約477兆7000億円)に上る」と語った。

会見にはソフトバンクグループの孫正義会長が出席

トランプ氏は「10万人以上の雇用を生む」とし、先端技術を基盤とする中国などとの競争に勝利するために計画を後押しすると強調した。孫氏は昨年12月、南部フロリダ州のトランプ氏私邸でトランプ氏と面会し、米国で4年間に1000兆ドルの投資を行うと表明していた。

不法移民送還「開始」

一方、トランプ政権の国境管理担当者トム・ホーマン氏は21日、不法移民・税関捜査局(ICE)が不法移民の大量送還に向けた法執行を「開始した」と明らかにした。

共和党が優勢な22州などは同日、不法移民の子供であっても米国生まれなら米市民権を得られる「出生地主義」を見直すトランプ氏の大統領令に反対している。