エンターテインメント
「敵は誰か、己の人生か。」敵 マボトさんの映画レビュー(感想・評価)
2025-01-18
著者: 健二
敵とは一体誰なのか。この映画「敵」では、主人公が自己のアイデンティティを問い直す過程が描かれています。疲れた日々を送っている私たちに、過去の自分や周囲の人々との関係を見つめなおす機会を提供してくれます。彼は、愛する妻との関係や、バーで出会った女性との一瞬の出会いを通じて、自己の本質を発見していく様子が非常に印象的です。
この作品では、夏秋の季節や大学の元教授が登場し、主人公が抱える内なる葛藤がリアルに描かれています。特に、心の中で膨れ上がる希望と絶望のバランスに苦しむ姿が共感を呼び起こします。美しい映像が全編を通して流れ、観客は引き込まれることでしょう。
特に印象的だったのは、綾野剛さんが演じる主人公が、自らの過去と向き合いながら成長していく姿です。この映画は、ただのストーリーではなく、観る者に深いメッセージを届ける作品となっています。手放せない心の葛藤を抱える現代人にとって、必見の映画です。