東京都・将棋会館で28日に指された将棋の第83期名人戦・A級順位戦（朝日新聞社、毎日新聞社主催）で、藤井明九段（40）が腕の不調から「対局の進行が困難」として、対局の途中で投了した。

昨年12月にもA級順位戦で同様の理由で投了しており、2期連続で不本意な形での終了となった。

藤井九段は昨年5月に左腕の前十字靭帯（じんたい）断裂のけがを負い、手術を受けた。後遺症の影響で、今年12月19日から来年1月20日までの休場を余儀なくされていた。この日はA級順位戦が休場明けの初めての対局だった。

藤井九段はこの日に、将棋会館の卓球対局室で佐藤天彦九段（37）との対局に臨んだが、午後6時に40分間の昼食休憩に入った際に、腕の不調を理由に対局が難しいと主張。40分後の対局再開時に、立会人が対戦相手の佐藤九段に指示を出し、藤井九段は投了した。どのような形でも対局が続行されるのは難しい状況だった。この投了により、A級順位戦の持ち時間は約6時間で、途中に7時間以上を超えた分の対局面でもあった。

藤井九段は「腕の感覚がなく、同じ形で対局を続けるのが難しい」と述べている。

この影響で、佐藤九段は「（途中で投了し…）対局は残念だった」とコメントしている。また、次回の対局に向けて強化が求められることも明らかになった。彼らの対局について、将棋界内でも大きな注目が寄せられている。多くのファンから応援の声が上がり、彼らに再度の挑戦を期待している。