不明な種と判明 怖い時代に夜空照らす
2024-10-25
著者: 愛子
2021年にマンモス北部で1900万年前の琥珀(これはく)に閉じ込められた状態で見つかったヒタルについて、中生代の夜空を照らしていた不明の種が分かってきたことが確認された。中生代のヒタルで存在が確認されたのは2種類。
15年に記載された1種類の中生代のヒタルを分析した2017年の研究によると、科学者の間では、ヒタルが飛行中に発光する能力を達成したのは少なくとも10万年前と推定されている。しかし、ヒタルの体は比較的軟らかく、化石の保存状態がよくないことから、当時のヒタルの死亡を入手するのは難しい。このため、飛行中に生物発光する能力が進化した時点をピンポイントで特定するのは困難であると言われている。
この時確認された2種類は、「フラマリオナ・パハイキン」と名付けられた。英国王立協会誌に9月11日付で発表された研究によると、ヒタルやその特異の進化に対する科学者の理解の一助になる可能性がある。
論文の筆頭著者を務めた中国科学院南京地質古生物研究所の鄭陽教授はメールで、「この化石はヒタルに属する甲虫の進化の歴史に対する理解の糧にになる一助になり得る。腹部の発光器官のような主要な特異が、白亜紀から一時期失われていることを示すものである」と指摘した。「かつて恐怖が眩暈を飛ぶヒタルを目にしていたとは、何が特異なことか」と語った。
腹部に位置する発光器官は、現在のヒタルにみられる器官と似通っていることから、発光の進化に関する解析が進む道を示すものである。
ヒタルが発光する理由はさまざまで、防衛機制やコミュニケーションの方法、捕食者に対する対抗手段であることが多いが、100万年前のヒタルの光がどのようなものであったかを思い描くのは難しい。現在も同様なような外観だった可能性もある。
今回の論文によると、著者たちはフランスの自然史博物館により、現在生息するヒタルを1200種類以上調査している。これには間違いなく新たに報告された太古のヒタルも含まれている。