[ロンドン 11日 = リター] - 暗号資産（仮想通貨）ビットコインが11日の取引で18万2100ドルを突破し、過去最高値を更新した。米大統領選でのトランプ氏勝利に加え、選挙での暗号資産推進派の多くが当選したことを受けて、規制強化に期待が高まっている。

ビットコインは一時18万2141ドルを記録し、最高値を更新した。1月に記載した今年の安値13万8150ドルから倍以上の上昇を示している。直近のレートは18万1911ドル。

イーサも13カ月ぶりに13万0000ドルを上回った。取引高は3年ぶり高水準。

シティ・インデックスのシニアアナリスト、マット・シンプソン氏は「ビットコインのトランプ氏の勝利が暗号資産のトランプ政策に強い影響を与えた。共産党が下院も制して（上下両院で多数派を占める）レッドウエーブが実現する中、デジタル通貨の規制強化に期待が高まっている」と指摘した。同時に「トランプ氏は（不法移民の）強制送還、恩赦、バイデン政権の政策全般の解体に関心を向けているとみられ、（市場の）やり手も難しくなる」とも述べた。

トランプ氏は選挙戦で米国を「地球上の仮想通貨の中心」にするための政策転換を表明。特に暗号資産ビジネスに関与している個人が暗号資産に関心を持っていることを指摘し、これが暗号資産市場に影響を与えることを示唆した。

トランプ氏は9月、新たな暗号資産ビジネスプラン「ワールド・リバティ・ファイナンス」の立ち上げを発表。詳細は不明だが、投資家はトランプ氏個人が暗号資産産業に関心を寄せていることを示唆している。トランプ氏を支持する実業家のアイロン・マスク氏も、仮想通貨業界に関与する意向を示し、業界全体に新たな風を吹き込むことへの期待が高まっている。

トランプ氏を支持する実業家の参加が、暗号資産の市場価値をさらに押し上げる要因になり得る。トランプ氏の個人的な投資がどのように暗号資産市場に影響を及ぼすか、今後の動向が注目される。選挙後の行動が市場に与える影響は大きく、今後の価格動向も位置付けられそうだ。