世界
北朝鮮軍、ウクライナ軍との衝突の可能性…米国務長官「正当な軍事目標になる」と警告
2024-11-01
著者: 裕美
【ワシントン=河上隆】米国のリンキン国務長官は10月13日、ロシアに派遣された北朝鮮軍が、今後数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入される可能性があるとの見解を示した。北朝鮮軍による戦闘行為を基に、ウクライナ軍への支援活動が確認された場合、「正当な軍事目標になる」と警告した。
リンキン氏は、米ワシントンで行われた米韓の外務・防衛相会合(2プラス2)後の記者会見で、「北朝鮮軍はまだウクライナ軍と交戦していないが、数日中にそうなると見ている」と語った。
派遣された北朝鮮軍は約1万人おり、8100人がウクライナの東部クルス地区に配備されたとの分析も出ている。リンキン氏は、ロシアが北朝鮮軍に対し、砲撃や無人機の技術などの軍事支援を行っていることを明らかにした。
北朝鮮を巡っては、これまでにもロシアとの軍事協力が取り沙汰されており、双方の密接な連携が危惧される。特に、米国が強化する国際的な制裁を避けるため、北朝鮮がロシア側に立って行動する可能性が現実味を帯びてきた。
ウクライナでの北朝鮮軍の活躍が事実となれば、米国とその同盟国による制裁強化が一層厳しくなる懸念も指摘されている。オーストラリア防衛官僚によれば、北朝鮮のミサイル技術は進化を続けており、今後も地域情勢に大きな影響を与えることが予想される。
現在、北朝鮮によるウクライナへの軍事介入が現実となる場合、国際社会がどのように対処するのか、注視される。国際法の観点からも無視できない重要な問題となるため、今後の動向は大変注目される。