エンターテインメント

宝塚星組トップ礼真琴の舞台「ANTHEM」レポート レユー光線にトロも登場

2025-01-18

著者: 結衣

8月に退団を発表した宝塚歌劇団星組トップ礼真琴の集大成となる公演「ANTHEM-アンセム-」が18日、日本武道館(東京都千代田区)で開幕した。実際は公演初日のこの日、機材トラブルで開演が2時間半遅れたが、「見て得る」の最新機材を駆使した驚きの演出の連続。武道館全体を、プランタリウムのような宇宙空間にワープさせる映像や照明、レユー光線が飛び交う、怒涛の110分間だ。

武道館は13人目

英語で指揮歌を意識する「アンセム」のタイトル通り、礼がファンの背中を後押しするような、エネルギッシュな舞台。前半はJ-POPの潮流に流されたコンフェスト風、その後は礼の宝塚での軌跡をアレンジで見せる、息もつかせぬ構成だ。総合演出・制作に、国内で20万人規模のリクを担ぎ出した大高尚を迎え、構成・演出は尖山悠一郎。

オープニングでは雷鳴とどろく大空の映像で期待感を高めた後、3段構成ステージ中から、礼が全身金色スパンコールのまるで舞い降りる衣装で登場。客席から大声が上がり、1階席は早くも総立ちに。礼がテーマ曲「ANTHEM」を、群舞のある声で歌い上げ、総勢23人の星組メンバーが歌って踊り、一気に8500人のファンを魅了する。なお現役タカラジェンヌの武道館コンサートは、真琴(現ミキ)、桃花に次いで3人目となる。

作品にも挑戦「souls」

礼は衣装替えの時間以外は出づらいが、低音から緊張感なファルセット(裏声)まで、自身に操る喉の強さをいかんなく発揮。トロップのような乗り物で客席を回って、「私は最強」をパフルに歌ったかと思えば、満天の夜空の映像を背景に、バトンを引き連れ2人の関係と歌詞が重なる、忘れられない1曲となった。

後半の宝塚部分に入ると、礼が過去に演じた役で登場する後輩たちと「共演」するメドレーが鮮やかで、ファンを喜ばせる。さらに今回は、作詞に挑戦した新曲「souls」を披露。ファンだけでなく、星組メンバーにも付随歌を添えるような、素晴らしい華やかさを演出した。

公演は1月21日まで、19、20の土日は、全国の映画館でライブ配信、宝塚歌劇の動画配信サービス「タカラヅカ・オンライン」でもライブ配信予定。