健康

半年前に発表されたアミロイドβが消失、医療仕組み安達純子

2024-12-28

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新薬「ドナンマブ」の効果

2024年に承認されたアルツハイマー病の新薬「ドナンマブ」は、軽度認知障害(MCI)と軽度の認知症の進行を抑制する。アルツハイマー病は脳にアミロイドβ(タンパク質)がたまることで神経細胞が死滅する。ドナンマブはアミロイドβを取り除く作用がある。この新薬の治療を開始して約半年で劇的にアミロイドβが減り、2〜3割の患者さんは完全になくなった。MCIではアミロイドβが完全になくなると、約4年間はアミロイドβがたまることなく、認知症の進行を防ぐと報告されていると、国立循環器病研究センターの田原純一部長は述べた。

認知症の早期診断・治療への努力

同研究所は、「AI認知症脳ドック」を開設するなど、認知症の早期診断・治療のために努力している。MCIの早期段階で適切な治療を受けることで、新薬の効果も得やすくなるという。

MCIの治療の重要性

「MCIのより早期の段階で適切な治療を受けることが、新薬の効果も得やすくなります。MCIを放置していると、毎月1〜2割の人が認知症へ移行します。」そうなる前の治療が、新薬の登場で重要になっていると言われている。

認知症の誤解と対応

認知症に対しては「まさか自分がなるわけはない」と、思いがちだ。しかし、そんな思いとは裏腹に周囲の強い勧めで受診したときには中程度以上で新薬の適用外でもある。

タウの蓄積とドナンマブの可能性

「アルツハイマー病ではタウ(タンパク質の一種)もたまり始めますが、ドナンマブは最初の登場試験でタウも減ると言われています。治療薬は、早めに適切に使用することが大切です」と田原部長は強調しています。

新薬の未来と予防策

この新薬の登場によって、アルツハイマー病の治療に新たな希望がもたらされており、今後さらなる研究と開発が進むことが期待されています。最新の治療法と共に、定期的な健康診断や認知機能のチェックを行うことで、効果的な予防策を講じることが可能です。注意が必要なのは、早期発見こそが最も重要であることです。医療関係者は、この認識を持ちつつ、患者とその家族に寄り添ったサポートを提供することが求められます。