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半導体株が反発の序章か TSMC決算に集まる熱視線

2025-01-08

著者: 海斗

【東京 18日 - 日本の半導体株に再び期待が高まっている。18日の東京市場では、前日の米ハイテク株安にもかかわらず、東京エレクトロン(8035.T)やアドバンテスト(6857.T)などの株が朝安後、予想外に切り返す動きを見せた。来週には半導体を受託生産する世界最大手、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(2330.TW)の決算が控えており、その良好な内容を前提にした動きが活発化する可能性がある。最近の市場全体を引っ張った昨年の再来となるかが注目されている。

「これだけ上昇してくると、半導体関連株を少しは持っておかなければと怯える心理になりそう」と、今秋にアセストマネジメントの秋野成夫社長は指摘する。主要な半導体関連株は年始以降、上昇が続いている。東京エレクトロン株は7日で11%高となり、18日も11.6%上昇した。アドバンテストも14%高に次いで13%高で、連日の上昇となった。

とはいえ18日は、前日の米国市場で半導体株のエヌビディア(NVDA.O)が16%安と大きく下落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が11.8%安となったことも背景に、国内の関連株は強い動きに対しさまざまな要因が影響している。大和証券の林健太郎アナリストは「TSMCは1月に発表する第二四半期決算で、再び高い成長が見込まれる時期にある」と述べ、市場に期待感が広がっている。

年初からの関連株上昇の追い風に至ったのは、台湾の電子機器受託生産者の受託生産が堅調なこと。TSMCから製品を受注している企業の市況状況が改善していることが影響している。今後の半導体需要が堅調に推移する見込みが強い中、別途、経済的リスクへの懸念も高まっているが、それでも企業の好調な業績は続くと見られている。

次のポイントで注目されるのが、18日に予定されているTSMCの決算発表であり、今期の見通しによってはさらに株価の動きを大きく動かす要因となる。業界関係者は、「半導体業界にとってのターニングポイントとなる可能性がある」とコメントしており、投資家や市場の目が集中する状況が続く見込みだ。これからの展開に期待が寄せられる。