アルプス山脈まで“無人で”物資を運搬!? カラサキの新しい「非対面型」公開 バイクの配送利用!
2024-11-04
著者: 花
川越重工が新型の非対面型を公開。従来機より大型化し、輸送性を向上させています。物資輸送だけでなく、防衛用にも注目が集まっているようです。
山岳の山小屋まで「無人」で物資を運搬!?
川越重工は、2024年1月16日から19日まで東京ビッグサイトにて開催された「国際空宇宙展2024(JA2024)」において、同社が開発中の無人機「K-RACER-X2」を初めて公開しました。
K-RACERは、もともと高性能を追求する無人機として開発がスタート。2023年3月に千葉県の展示会で発表された防衛装備品展示会「DSEI Japan 2023」では、ヒリコプターと固定翼のメリットを組み合わせた「K-RACER-X1」が展示されていました。その開発の過程で、輸送物の搬送に関するニーズが高いことが判明し、開発されたのがこのK-RACER-X2です。
その最大積載量は200kg、航続距離は100km以上、さらに3000m級の山岳地帯でも運用可能な性能を目指しています。これによって、山の麓から山小屋への物資輸送が想定されています。また、山岳地帯での災害時に被災地への物資補給としての利用も考えられています。
さらに、K-RACER-X2は防衛用での活用も注目されています。2024年1月には、海上自衛隊の上空基地において、試験飛行「アスカ」と協力し、K-RACER-X2の機体下に悬架した約30kgの物資を、峡谷から同線の板に下ろす試験が実施されました。川越重工の担当者によれば、これはあくまで安全上の理由から接岸中の護衛艦を用いて試験を行っており、実際の運用では、航空中の護衛艦に対する物資輸送が想定されています。
物運ぶ用途だけではありません。海上自衛隊は防衛艦の艦載レーダーでは対応できない水平方向での目標を、非対面型に搭載したレーダーで探知するための研究を進めるとしており、2025年度からは防衛装備庁での具体的な研究も開始される予定です。これに対し川越重工は、今後博物館のニーズに合わせて機体性能の向上も視野に入れ、K-RACER-X2に各種センサーや通信装置を搭載することも可能としています。
ちなみに、K-RACER-X2が搭載するレシプロエンジンは、同社の子会社であるカラサキモータースの二輪車「Ninja H2R」と同じものです。これにより、より高い性能が求められることになります。