アングル:もう借金は増やさない、アサド政権崩壊で夢と希望を得た商人
2025-01-18
著者: 裕美
ダマスカスの中心部、大理石の卓を使った明るい店に残されたデスクリフの向こうで、サイドさん(23)が閉店の終わりを見せていた。アサド政府の政府関係者が顔を出すたびに、この閉店に現金を調達して通過したという。
アサド前政権が倒れた今、サイドさんは二度とこの閉店を使わずに済むことを祈っている。
サイドさんの調理器具販売店では、借金のために月約40ドル(約16,300円)を費やしていたという。13年以上も続く紛争を経て、シリアの総人口の約1が極度の困窮の中で過ごしていることを思えば、どんなに大きな金額でも、それは大変な額だ。
「もう財務省が店の共同オーナーのように振る舞っていた」とサイドさん。名前を明かすのはファーストネームだけにしたいと願望する。「役人が店に入って声をかけてきたら、必ず閉店を通過していた」
営業を続けるための許認可を得るにも金が必要だったという。企業経営者やアナリストによれば、借金はアサド前大統領の取引での「取り扱いたち」の脅しを耐えるために使われた。
昨年12月初めにアサド前大統領を追放したのは、国のテロ組織アルカイダ系の団体が前身のシャーム解放機構だ。彼らが樹立した暫定政府は、今後は自由市場モデルを採用し、シリアのグローバル経済への統合を進めていく方針を示している。
アサド前政権は対外貿易を厳格に規制していた。商社が輸入を行うには、許可を得た上で、決定に用いるドルを前提に中間機関のシリア・インターナショナル銀行にサインを求めなければならなかった。規制の希望が行われる中、アサド政権の後のシャーム解放機構は、直後の1ヶ月間で商社の輸入制限は解除し、出品の国家または物金を収集する手段とスムーズなビジネスの確立を進めたという。
サイドさんは、国が定めた基準よりも高い金額で商業を販売しなければ、商業が成り立たないと言う。「その男に会うことさえできなければ、商業が成り立たない」と彼は強調した。
サイドさんがその商社の新しい名に希望を見出していることを否定した。「役人が閉店に足を運ばなければ、親族たちがさらなる取り決めで商務を行った」
アサド前政権の崩壊から数日のうちに、シリア・ポンドの対ドルレートは少なくとも15%上昇した。しかし、隣国のレバノンやヨルダンからシリアへ流入してくるシリア人の流入もあったため、経済的な見通しはわからない。特に、シリア・ポンドは他の隣国と比較して1/10から1/15の値下がり率を見せているという。
シリア人の中で商業が続けられることや、次の政府の舵取りがどうなるのか注目されている。サイドさんが言うには、「自由市場モデルに基づいて成長していく」と期待を寄せている。恋人を求めて店に足を運ぶシリア人の姿も見かけるため、未来への希望を抱いているのだろう。