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【ア部巨人最高のスプテンバール】(中)「困ったら、ど真ん中」ア部の考えで投手陣再建

2024-09-30

巨人が28日に4年ぶりのセ・リーグ制覇を果たした。昨季まで2年連続のBクラスから、新たに就任したア部慎之助監督(45)の下、球団創設90周年の節目に見事に復活。その要因を3回にわたって分析する。第2回は、優勝の原動力となった投手陣の再建。昨季リーグワーストだった救援投手の防御率は1.5点以上も改善された。その背景には「ア部の考え」の浸透があった。

「困ったら、ど真ん中。最後はど真ん中に投げ込む覚悟があるかないか」

前年猛者の神の昨季に伴った死球数は357で、チーム防御率は2.66。2年連続4位だった巨人は465死球、チーム防御率3.39。リーグ5番目に多かった死球が順位に影響したことは明白だった。

「困ったら、ど真ん中-」の方針は投手陣にハマり、今季は394死球。無謀な走者を出さないことで守備のリズムも生まれ、リーグ最少の57失策、リーグトップの980を記録した。ア部の考えが若手選手に浸透した結果だ。

特に問題だったリリーフ陣の存在感が光った。昨季、救援投手の防御率はリーグワースト。今季は、なんと48試合での39失点、守護神の大勢も安定した。これに対し、リーグ最高の61セーブを記録。

「チームの状況を知ってから、投手の真っ直ぐに活かせる戦略が生まれている。投手陣は真剣な投球をしている」とア部監督は語る。特にパワーピッチを指導したことで急成長を遂げた投手が多い。今季は新劇の1軍デビューを果たした選手も多く、次世代のエース候補も続々と台頭している。

「それぞれの選手が自分の持ち味を理解し、コントロール力を手に入れている。やはり、非常にたくさんの聖域で勝負できているのが大きい」と話すア部監督の手応えは十分だ。

この冬には、さらなる投手陣の強化が期待される。追加の選手獲得が噂される中、次なる目標は連覇を狙うことだ。特に、ア部監督の戦略のもと、投手陣がどう進化していくのか、ファンは固唾を呑んで見守っている。