2025年を読む 日本の安全保障に求められる「自立」
2024-12-25
著者: 葵
ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に返り咲いた後、日本を取り巻く安全保障環境はどのように変化していくのか。「これからの日本の論点2025 日経大予測」に国際情勢の分析を寄稿した秋田昂之氏(日本経済新聞社 コメンテーター)へのインタビュー後編では、激動の時代にこの国がどう対処するべきなのか、見解を聞きました。 ●前編「2025年を読む『戦争の足音が迫る世界』のシナリオ」から読む
トランプが「ロシアの勝利」を導く?
トランプ政権への移行後、アジアの安全保障環境はどのように変化していくのでしょうか。 本来、アメリカが最も避けなければならないのは、ロシアに勝利を与えてしまうことです。トランプ政権が強硬な姿勢を取る中で、欧州の状況変化に伴い、アジアにおけるアメリカの影響力が大きく査定される時代が訪れています。とはいえ、現にアメリカの体制では一度に一つの大規模戦争にしか対応できず、日米の連携だけでは十分ではない状況が危惧されています。 また、アジアにおけるロシアの影響力の強化も無視できません。他の国と連携し、国際的な平和を維持する観点から、トランプ政権における日本の役割の重要性が増すでしょう。
アジアにおける戦域の多様性
アメリカの危機が高まることで、アジア地域の緊張もさらに高まることが懸念されています。特に中国、北朝鮮、ロシアの影響力が強化され、地域における安全保障環境が複雑化しています。北朝鮮の核問題や南シナ海の領有権問題など、多様化する問題に日本はどのように対応していくのでしょうか。 敏感な局面では、アメリカだけではなく他の地域勢力とも連携し、アジア全体の安全保障を考える必要があります。つまり、日本の「自立」が鍵となります。アジア安全保障の枠組みの中で、各国との連携を強化し、日本が中心となって平和を維持する役割を果たしていく必要があります。
トランプ氏の発言までの釘を刺す必要がある
トランプ氏の発言や行動は、直接的に日本の未来に影響を与える可能性があります。したがって他国との連携を築く糸口を日本自身が積極的に作り、その進展を促すことが求められます。そのためには、国民と政府が一体となり、よりオープンで強固な外交を進める必要があります。 このような状況下で、日本は単独で行動できるよう準備を整え、急速に変化する国際環境でもその役割を果たしていかねばなりません。特に、他国とは異なる独自の国防力の強化が、これからますます重要になってくるでしょう。自立した安全保障の進め方を探ることが、日本の新たな挑戦となることでしょう。 さあ、日本はどのように未来の安全保障を築くのか。あなたの意見は?