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2024年、最も“成長した”テック企業は? 1位の成長率は「1万%超」 デロイトが発表

2025-01-24

著者: 海斗

デロイト トーマツ グループによるランキング発表

デロイト トーマツ グループは1月22日、2024年度における売上成長率が高かった日本のテクノロジー関連企業、上位50社をランキング形式で発表した。成長率は過去3回の四半期決算の累積に基づいて算出され、24年の第1位は、オンラインでのピルの診療・処方サービスを手掛けるmederi(東京都目黒区)だった。

mederiの成長率

mederiの24年の売上成長率は、1位7596.7%であった。2019年に設立され、オンラインでのピル診療サービスに加え、オンラインでの肌の診療やAGA治療サービスなどを展開。24年10月には野村ホールディングスに対し、女性社員に低用量ピルを処方する法律向け福利厚生サービスの提供を始めた。

2位と3位の企業

2位に入ったのは、QPS研究所(福岡県福岡市)で、売上成長率は8721.6%だった。同社は05年設立。人間の意志をこえる精密機器、関連するソフトウェアの開発・製造などを手掛けており、24年8月には米SpaceXのロケット「ロケットファルコン9」により、QPS研究所の小型衛星「アマテル-IV」の打ち上げに成功している。

3位には、電動キックボードのシェアリングサービスで知られるLuup社がランクイン。売上成長率は1732.5%だった。

トップ10の企業一覧

トップ10までの結果は、4位JDSC(東京都文京区)1064.4%、5位Cellid(東京都江東区)802.7%、6位SAKURUG(東京都足立区)749.9%、7位むたす(東京都中央区)671.2%、8位パイトナ(東京都江東区)616.6%、9位M&A consulting firms(東京都千代田区)550.7%、10位Unito(東京都目黒区)538.6%となった。

デロイトの分析と業種の分類

デロイト トーマツ グループによるランク付けの結果は、今回で22回目となる。23年度に成長率1000%を超えたのはエニカ(東京都千代田区)1社で、同社の成長率は1442.9%だったが、24年度は1位のmederiを筆頭にQPS研究所、Luup、JDSCの4社が1000%を超えた。

受賞企業50社の平均成長率も上がった。23年度の平均伸び率283%から、24年度は689.1%に進展。これに対し、デロイト トーマツ グループは「23年度は新型コロナウイルスの5類移行に伴って業界の設置投資も活発」としており、24年度はその傾向がさらに加速したと分析している。

ランキングの対象となった業種は、1)半導体や部品・コンピュータ、周辺機器などを含むハードウェア、2)アプリや各種管理運用システムを含むソフトウェア、3)インターネットやクラウドサービスを含む通信、4)広告やマーケティング、Eコマースを含むメディア、5)バイオや製薬を含むライフサイエンス、6)再生技術やエネルギー省力機器を含むクリンテックである。