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2024年市場予測の誤算、米国主導の株高継続

2024-12-26

著者: 健二

[ロンドン 12日 リッターテクノロジー] - 2024年の初めに多くの投資家は、世界的な株高が失速し、米国の金利が急速に引き下げられ、国債利回りが上昇すると予想していたが、その考えは完全に覆されてしまった。

この主な要因は、人的資源(AI)分野の急速な成長による米国への資金集中が加速していることだ。ドルは7%上昇し、米株も大幅高となり、トランプ再選の動きも相まって、海外市場への影響も強まっている。今やトランプ政権下の米国株市場は依然として強い影響力を持ち、新たな投資先を求める動きも目立っている。

暗号通貨のビットコインも年初から12%上昇した。しかも、米国への依存度が高まる中、米連邦規制当局の利上げ政策は市場に不安定要素を与えている。米国経済の動向が世界市場に大きな影響を及ぼす傾向が強まり、今年は短期的な暴落も経験した。

さらに、トランプ政権の金融政策による国債市場への影響も不安要素となっている。米国経済の動向が世界市場を大きく左右する状態となっており、企業へ与える影響も大きい。

昨年大幅に上昇したS&P500指数は、年初から14%上昇している。一方、エヌビディア(NVDA.O)は11%上昇し、電気自動車(EV)メーカー、テスラも19%上昇した。

シローダーズによると、いわゆるマグニフィセントセブンと呼ばれる米国のハイテク株は、MSCIの世界株指数の約15%を占めており、これらの企業の業績が期待されている。そのため市場に及ぼす影響も大きい。

ユーロは対ドルで約15.15%下落し、欧州株(STOXX)は米国株との比較で過去15年間で最もパフォーマンスが悪化した。

欧州中央銀行(ECB)は利下げを実施し、2025年には欧州経済が上向くとの見方もある。投資家が分散投資先を探している中、金は今年12%上昇し、原油は8%の大幅な上昇を記録している。

中国株(CSI000300)は当局が強硬策を打ち出す中で、9月の1週間で11%に近い上昇を見せた。その後は何度も週間ベースで下落した。2024年にChinaに置かれた投資家は、年内に14.75%の上昇で報告されたが、多くの投資家は、当局が直接的な行動を起こすまで短期的な悪化のサイクルが続くと予想している。

米11年利回りは今年約16ポイントの上昇、英11年利回りは10ポイント上昇、独連邦債11年利回りは14ポイントの上昇を見せた。また、日本の10年利回りは14ポイント上昇し、13年以降の大幅上昇となった。

トランプ次期政権の政策がそのような影響を与えるかが不明である中、債券市場について来年は危険な年になる可能性がある。前月のフランス株市場の動揺は、いわゆる債券自警団が過去の高い借り入れに関して行動した政府に対する意識があることを示した。