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11月の経常収支は3.3兆円の黒字。3か月ぶり高水準 貿易黒字転換で
2025-01-14
著者: 芽依
【東京 14日】 – 財務省が14日に発表した全国経常収支の速報によると、11月の経常収支は3兆3,515億円の黒字となり、3か月ぶりに高水準となった。これにより、貿易収支が黒字に転じたことが大きな要因となった。
貿易・サービス収支の改善
貿易・サービス収支は3兆1,616億円の黒字で、先月の貿易赤字から改善された。半導体製造装置や非鉄金属の輸出が増加した一方で、原油や半導体等電気部品の輸入は減少したことで、貿易収支の黒字化に寄与した。また、サービス収支は観光客の増加により、黒字を拡大している。
所得収支の状況
第1回所得収支は3兆4,317億円で、直接投資収益の黒字幅が拡大した。これに対し、第二回所得収支は4兆2,114億円の赤字だった。
今後の展望
エコノミストからは、今後の貿易収支の改善を期待する声が上がっている。野村アナリストのエコノミストは「旅行収支の回復は貿易収支・サービス収支の黒字化の要因であるが、プラスは続かない。先行きも日本の対中輸出はトランプ次期政権の影響を受ける可能性がある」と警鐘を鳴らす。
依存する経常収支
さらに、今後も経常収支は第1回所得収支に依存し続ける見込みが大きい。アナリストは「第一回経常収支が今後も日本の海外での『稼ぐ力』になり続けると考えられる。経常収支全体が減少することはないだろう」と指摘している。国際的に見ても、日本はこの結果を受け、輸出力の向上が求められることは明白だ。