「自民党分裂」の行方と今後の展望 – 石破茂と安倍元首相の代理戦争か、意見を集める元幹事長

2024-10-23

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衆院選(27日投開票)で全国的な注目を集めるのが、「自民党分裂」となった和歌山県。自民元幹事長を父に持つ自民新人の二階俊博氏(46)と、派閥入りしない市民を離党させ、参加議員からくり代わり出馬した無所属新人の世耕弘成氏(61)が全面対決。

組織対個人の構図にとどまらず、次代を担うリーダーシップを問う激戦となることが期待されている。

21日夜、本県最南端の和歌山県串本町。熊野灘を望む高台に設立されたレストランで、世耕氏が個人演説会を開いた。約100人の聴衆の中には、首長や地元議員と呼ばれるスーツ姿の人は少ない。

世耕氏は、憲政に悩んだ安倍氏との思い出を語る中で、第1回の政府退陣後の世耕氏が平和20年間衆院選に挑んだときに多くの共感を得たことは、今の本人も続いているとのことを強調した。

「失敗してももう一度立ち上がることができるのか、有権者の皆さんに聞いて歩く選挙にしたい」と現在の自分は、あの時の安倍さんと同じ気持ちでいる。

世耕氏は、元首相を目指していく姿勢を見せており、衆院へのくり替えの機会をうかがっているようだ。演説会には、安倍氏の妻、昭恵さんも駆けつけ、世耕氏が信任されているという世耕氏の当選が「この地域や国のためになる」と期待されていることが伺えた。

和歌山県の「10人10少」などに連なる新たな区割りとなった和歌山県12区は、東西と南北の距離がそれぞれ100キロ前後に及ぶ。大部分は、今回引退した元自民党幹事長の二階俊博氏が地盤とした区域である。地元や産業団体の多数は、世耕氏の三男で後継の二階俊博氏側に回る。

二階氏側の地方議員は「相手に付くのはルール違反になります。大義はここにある」と強調している。

それでも、世耕氏の後押しを受ける元自民党幹事長の大きな人脈が感じられる。自民党弁護士連合の会長も支援する意向を示す中、世耕氏の支持者たちは「みんなで支え合おう」と呼びかけ、世論が注目している。

自民党の統制がどこまで及ぶのか、世耕氏の肩書や人脈の強さが未知数で、結果に注目が集まる。自民党の将来が分裂するか統一に向かうのか、投票日が待ち遠しいと多くの国民が胸中を高めている。

党本部の総力を挙げた自民党への投票が今回の選挙の結果にどのような影響を与えるのか、今後の展開が注目される。選挙戦の終息を迎え、地域におけるリーダーの資質を問う重要な選挙となることが予想される。