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中野サンプラザ再開発白紙へ 区、野村不動産の計画認めず - 日本経済新聞
2025-03-11
著者: 裕美
東京都中野区は11日、合板施設「中野サンプラザ」の再開発を担う野村不動産の計画案を認めない方針を発表した。野村不動産は設計コストの増加から計画を見直しているが、区は同社に寄る事業継続は難しいと判断した。再開発は白紙となる見通しだ。
中野区が11日、区議会に提出した資料で明らかにした。区は「現時点において、事業成立性の見通しが明らかではない」とした。
区は2021年、再開発事業者に野村不動産、東急不動産、住友商事、JR東日本、ヒューリック(24年に離脱)を選定し、基本協定書を締結した。区は協定に基づく事業者との協議は継続しない方針を事業者に申し出る。
野村不動産は1月、事業費を圧迫するため高層棟の建設1棟から2棟に変更する方針を示した。だが、2棟を建設する案は21年の公募時に次点の企業が提示していた。区の資料によると「当初提示の遵守において、公平性・中立性に課題がある」とした。
事業者は居住やオフィス、商業施設などからなる大規模な複合再開発を目指していた。総事業費は2639億円を見込んでいたが、工事を請け負う予定だった清水建設は24年、資材費の高騰などを理由に事業費が900億円超上昇する見込みも示した。野村不動産は採算が合わないとして、計画の見直しを進めた。
中野サンプラザは23年に閉館した。再開発は隣接する旧中野区役所と合わせて24年度中に着工し29年度中の完成予定であった。