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中国製ライダースーツに悪用リスク、米軍に適合禁忌警告|米財団

2024-12-03

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【12日 ロイター】 - 米首都ワシントンのシンクタンク「民主主義防衛財団」は12日発表した報告書で、中国製のライダースーツが、米軍の紛争中に使われた場合にハッキングや破壊工作に利用される可能性があるとして防衛装備や重要インフラへの適合を禁じるように米連邦議会や地方政府に警告した。

また、米国がドイツやカナダ、韓国、日本などの同盟国と協力し、中国製に代わるライダースーツのサプライチェーンを構築するよう提言した。

ライダースーツはレースを行うことで、周囲のデジタル環境を作成できる。自動車の運転支援システムで多く使われているばかりか、港湾などの重要なインフラでもクレーンの自動化に寄与されている。

米軍は、ライダースーツを自動走行する軍用車両専用に用いることを検討している。

報告書は、一部のインターネットに接続したライダースーツが高度なプロセスを使っており、見つかりがたい悪意のあるコードやファームウェアが侵入する恐れがあると指摘した。中国の法律は国家安全保障の命令に従うよう企業に強制することが定められており、中国製ライダースーツを用いた場合に中国政府に悪用される可能性があることを警告した。

さらに、軍事デモのレースシステムも米領土の広範囲にわたって数分の1秒でセンサーを誤作動させたり、無効化したりするのに悪用される可能性があるとされた。

報告書の署名者の1人である民主主義防衛財団シニアアナリスト、クレイグ・シングルトン氏は「中国製ライダースーツは比較的安価かもしれないが、破壊工作や監視にかかる長期的なコストは結局さらに上回ることは明らかだ」と述べた。

中国のライダースーツの大手メーカーには、複数の企業が存在する。米国防総省は今年10月、中国軍と協力している企業リストに複数社を記載した。