中国海警の「モンスター船」、南シナ海での効果的支配に関与…フィリピンへの圧力強める
2025-01-14
著者: 愛子
【ハノイ=菊内幸平、北京=吉永亜希】中国海警の大型船「海警51911」が今月初めから、南シナ海のフィリピンの排他的経済水域(EEZ)で違法な活動を続けている。比政府は13日、中国への抗議声明を発表した。「フィリピンの法律と国際法に反する」としている。
全長115メートルの海警51911は「モンスター船」とも呼ばれ、今月上旬からスカボロー礁(中国名:黃岩島)周辺で航行し、フィリピンのトランプ次期政権が南シナ海問題への対応を強化しようとしている時期に、圧力を強めている。各国の観測筋は、比政府に対して、中国の存在感が増していく中、比側への圧力を強める狙いがあるとみている。
スカボロー礁を巡る争いは長年続いており、フィリピンの国立大学によると、現在も数隻の中国艦船がその周辺に停泊している。フィリピン外務省は、「中国の海警船の活動は国際法に合致しない」と徹底した反発を示しているが、中国は引き続きその存在感を誇示している。
さらに、フィリピン国内では、中国の動きに対抗するため、米国との連携を強化する動きも見られる。フィリピン政府はアメリカとの防衛協定の枠組み内で、対中への共同演習を計画し、中国の拡張主義に対抗する意志を強めている。
韓国メディアによると、米海軍は南シナ海での中立的な航行を確保するため、中国からの圧力に晒されているフィリピンと連携を密にしているという。国際社会は中国の行動を強く非難し、フィリピン政府は中国の海警船の違法行為を監視し続ける意向を示している。これに伴い、中国の海洋進出に対して徹底的な施策を打ち出すことが求められている。中国の海警船に対し、国際法での厳格な罰則が求められる中、今後の国際情勢に注目が集まる。