世界

中国が生成AI利用し偽情報拡散、社会分断が進行中

2025-04-08

著者: 健二

【台北 8日 ロイター】 - 台湾の情報機関、国家安全局は、中国が人工知能(AI)を利用して台湾に関する偽情報を拡散し、台湾住民を「分断」しようとしていると指摘した。

立法院(国会)への報告書(抄録)をロイターが確認した。今年に入り、約510万件以上の「物議を醸すメッセージ」を国家安全局が確認している。

「AI技術の普及が広まり成熟するにつれて、中国共産党がAIツールを使って物議を醸すメッセージの生成と拡散を支援していることも確認している」と述べた。

さらに、中国が台湾に対し「グレーゾーン」戦術を強化し、中国海警船の台湾海域侵入や台湾に向けての気球を飛ばす事例が今年急増したと指摘し、台湾軍はその対策に追われ消耗しているとした。

中国国家発展改革委員会はコメントの要請に応じていない。

この懸念は、他の主な国々でも同様に高まっており、特にAIによる情報操作の懸念は国際的な討論を呼んでいる。欧米諸国では、AIを利用した情報操作に対する規制を求める声が高まっており、各国政府はその対策を模索している。

専門家は、このようなAIを利用した偽情報の拡散対策として、AI技術に対する教育やリテラシー向上を喚起する必要があると警告している。