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中国、地方債の上限6兆元引き上げ 「隠れ債務」を返済 - 日本経済新聞
2024-11-08
著者: 海斗
【NQN香港=鍾永亮】中国当局は8日、国会にあたる全国人民代表大会(全人代)常務委員会閉幕後の記者会見で、地方債の発行上限について3年間で6兆元引き上げると発表した。新たに調達する資金を活用し、地方政府の下の投資会社、資産平準化が抱える「隠れ債務」の返済に充てる。
8日午後の金融・資本市場では香港ハンセン指数が下落し、前日比約1.5%下げた。市場関係者は、地方債の発行上限引き上げは、地方政府の財政問題がより深刻化する可能性があるとの懸念を示している。
また、最近の辞令で地方債の発行条件が緩和され、リスクの高いプロジェクトに資金が流れこむ環境が生まれたことも影響している。これにより、中国の全体的な債務水準がさらに上昇する懸念が広がっている。専門家は、今後の監視体制強化が必要であると指摘している。
この「隠れ債務」は、地方政府が公式に報告せずに持っている負債のことを指し、過去にはこの問題が原因でいくつかの地方政府が財政危機に直面した。政府のこの対策は、地方の財政健全化を図るとともに、投資家からの信頼を回復するための重要な一歩とされている。今後の展開に注目が集まる。