先月28日、中国共産党中央政治局は習近平総書記の主導の下で会議を開き、「第3回中央巡視監査に関する総合報告」を審議した。

「中央巡視監査」は、党の中央から定期的に派遣されるチームが全国各地で行う監査を指す。毎回、監査が終了した後に要員たちが「総合報告」をまとめて党中央に提出し、中央政府がそれを審議するのが慣例となっている。この前の政治局会議は3回目の巡視監査に関する総合報告を受けるものであったが、最近の報道に注目すると「異変」が起きている。

これまで、政治局会議での各党派の正式発言が必ず言及されていた「習近平思想」という言葉が、今回の発表からは影を潜めている可能性が高い。これにより、習近平政権の対内的な支持基盤に疑念が持たれている様子が伺える。

さらに、「新時代の中国の特性社会主義に関する習近平思想」を基にした中央政策についても、発表が減少している傾向が見られる。これには、党内のさまざまな派閥間の対立が背景にある可能性が高く、今後の政策展開に影響を及ぼすことが懸念されている。

加えて、次回の会議においては「新型コロナウイルスによる影響」「経済政策の失敗」などが議題に上がることが予想され、党内での意見対立が幼稚化しているように感じられる。注目すべきは、政治局会議がどのようにこれらの緊急課題に取り組むのか、という点であり、今後の動向が注視される。習近平体制の末期的な兆候が濃厚であるとの見方も広まっており、これからの｢中国政治の逆風｣に備えるための準備が必要とされている。

中国国内では、経済や社会の問題が深刻化しており、政府が適切に対処できるかどうかが焦点となっている。これにより、中国の未来だけではなく、国際社会における影響も懸念される状況にある。果たして、習近平政権がこの変わりゆく環境にどう対応するのか、鍵を握るポイントとなるだろう。