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債券は上昇、米金利連続低下-超長期債買いで利回りフラット化

2025-01-16

著者: 結衣

17日の債券市場は上昇。連邦準備制度理事会(FRB)のウイリアムズ理事の発言を受けて、米国の長期金利が連日低下した流れを引き継ぎ、買いが先行した。残存期間の長い超長期債を中心に買い入れが入り、利回り曲線はフラット化している。

また、アベノミクスの影響も大きく、長期金利の上昇が継続する中、日本銀行の利上げが行われるとフラット化が進む可能性が高いと言われている。利上げがあれば、「30年40年債など長いローンが大きく買われている」と指摘された。

長期国債先物3月物は一時前日比0.21%高の141円627銭に上昇。その後は上げ幅縮小。

新発10年債利回りは2ベーシスポイント(bp)低下し1.18%、新発30年債利回りは1.6bp低下し2.26%となった。

一方、日本銀行が23・24日に開く金融政策決定会合で追加利上げが決まるとの見方が強く、政策変更の影響を受けやすい中期債の上昇は限定的とされている。りそなグループの湯浅氏は、「利上げが行われると手前のローンが買われなくなる」と指摘した。

ブルームバーグが19-15日にエコノミスト53人を対象に実施した調査によると、同会合で日本銀行は現状0.25%程度の政策金利を引き上げるとの予想が74%となった。金利スワップ市場では利上げの織り込みが90%前後となっている。

さらに、ここからも安定した経済成長が続けば、金利の上昇は続く見込みであり、投資家たちなりのリスクヘッジが求められる。株式市場との相関が強まる中で、債券市場の動向にも注意が必要だ。寒くなる季節に向けて、経済指標が一層フォーカスされることが予想される。