藻類の光合成系I複合体に関する新たな構造解析が示す驚くべき事実!
2024-11-11
著者: 結衣
2024年(令和6年)11月12日、国立大学法人岡山大学が発表したところによると、藻類の一種であるThalassiosira pseudonanaとChaetoceros gracilisに由来する光合成系I複合体(PSI)と光合成装置であるFCP(fucoxanthin chlorophyll-binding protein)の超複合体PSI-FCPIの構造解析に成功しました。
この研究は、PSI-FCPIがどのようにして藻類の光エネルギーの捕集に貢献しているのかを理解するための新たな知見を提供します。研究チームは、光合成系IIIやホロクロロフィルの比較を通じて、両方の複合体の重要な機能と相互作用を明らかにしました。
具体的には、PSI-FCPIがPSI単体に加え、5種類のFCPIサブユニットから構成されていることが判明しました。この結果は、藻類の効率的な光合成機能の理解に大いに貢献するものです。
さらに、研究には、岡山大学農学部の長尾助教、静岡大学の啓文敬太郎教授が関与しており、名古屋大学の福原教授との共同研究によりこの偉業は実現しました。科学者たちは、微細藻類による光合成効率の向上が、持続可能なエネルギー源としての可能性を示唆していると述べています。
実際に、藻類から得られるバイオマスをエネルギー源に利用することができれば、環境負荷が少ない新たな再生可能エネルギーの確保が期待できるでしょう。
この研究の成果は、2024年10月31日に国際的な学術誌『eLife』に発表され、注目を集めています。光合成のメカニズムは、今後の環境保護やエネルギー政策において重要な鍵を握ることでしょう。
今後も、藻類を利用した新しい技術の進展に注目です!