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原油先物価格が4年ぶり安値、米国税政策による景気後退懸念
2025-04-07
著者: 芽依
[ニューヨーク 7日 ロイター] - 原油先物は7日、値動きの激しい展開となる中、12%下落し4年ぶりの安値を記録した。米国のトランプ政権による減税政策が影響し、世界経済がリセッション(景気後退)に陥るのではとの懸念が強まっている。
北海ブレント先物の清算価格は、1.37ドル(12.11%)安の64.2ドル。米ウエストテキサス中質油(WTI)先物は、1.12ドル(10.66%)下降し、10月11日以来の41.32ドルで引けた。アナリストは、2024年以降の安値となる可能性が高いと警告している。
いずれにしても、2022年からの安値となった。前日の海外市場で13ドル以上下落した後、トランプ大統領が関税の撤廃を検討しているとの報道を受け、午前の取引で1ドル以上上昇する場面もあった。しかし、その後のパイプラインの当局者がこの報告を否定したため、原油価格は再度下落に転じた。
さらに、ロシアなどの産油国が生産を拡大するというニュースも影響し、原油価格の下落幅は拡大した。市場では、このままでは米国のシェール業界が大きな打撃を受けるとの見方も広がっている。
最近の調査によると、原油需給バランスが崩れ始めており、在庫が増加傾向にあることも投資家にとって懸念材料となっている。今後の展開次第では、さらなる価格の下落も予想される。この状態が続けば、エネルギー関連企業への影響は避けられず、雇用や経済全体にも波及する可能性がある。