科学

宇宙の美が生んだ光景:NGC 4496の双子銀河

2025-01-02

著者: 愛子

銀河NGC 4496の特徴

ここでご紹介するのは「おとめ座(女子座)」の方向にある銀河「NGC 4496」です。この銀河は青色の輝きに彩られた螺旋腕(螺旋状腕)が包み込む銀河の中心部分が、中央とその下に分かれたように見えます。

NGC 4496の構成

実はNGC 4496は単一の銀河ではなく、大きく見える上の螺旋銀河「NGC 4496A」と、その中に存在するように見える下の螺旋銀河「NGC 4496B」に分かれています。紹介した国立天文台(NAOJ)は「双子銀河」と呼んでいます。

銀河の相互作用

この銀河では銀河同士の衝突や合体は珍しくないことですが、重力を介して相互作用している銀河のペアは数多く観測されています。しかし、NGC 4496の場合は相互作用しているのではなく、地球から見て同じ方向にある銀河が重なって見えるだけです。国立天文台によると地球からの距離はNGC 4496Aが約4700万光年、NGC 4496Bは約4210万光年の距離にあります。

観測技術と予定

主要な画像は国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」に設定されている超広視野主鏡「Hyper Suprime-Cam(HSC、ハイパー・スプリーム・カム)」を使って撮影されたもので、国立天文台が2024年12月19日に公開する予定です。

新たな発見の期待

すばる望遠鏡の撮影により、3次元のリング構造を持つ「みずがめ座」の銀河が確認されることになり、天文学者たちには新たな発見の場を提供します。その神秘に迫るこの観測は、宇宙の謎を解明するための重要な手がかりとなるでしょう。