テクノロジー

宇宙で太陽光発電して地球へ。そんなことできるの?

2024-09-29

米Gizmodo編集部が、今、注目する科学プロジェクトの一つがこれです。

宇宙空間で直接太陽光エネルギーを収集し、それを地球に送るという巨大なアイデア。

SF世界で見ることがあるようなこのアイデアは、あまりに新しいものではありません。が、コストや技術的な面から実現は不可能だと思われていました。しかし、そこにチャレンジしているのがカリフォルニア工科大学の研究チーム、Space Solar Power Project(SSPP)です。

かつて夢物語とされていたこのアイデアが、今、前進しつつあります。成功すれば、大量のクリーンな太陽エネルギーを得ることができ、エネルギー収集は季節にも昼夜にも左右されなくなります。

このプロジェクトを実現するためには以下の4つの課題を解決しなければなりません。

1. 地球上に浮かぶソーラーパネルスチュード教室から、太陽光エネルギーを効率的かつ継続的に収集すること。
2. 収集したエネルギーを地球へ送るために必要な技術とインフラを確立すること。
3. これらの技術を実用化するための費用対効果を確保すること。
4. 日中、夜間、天候にかかわらずエネルギーを安定供給するための体制を整えること。

実際に行われる実験として、カリフォルニア工科大学が開発している実験機Space Solar Power Demonstrator-1(SSPD-1)が挙げられます。これは、宇宙空間のソーラーパネルで太陽光エネルギーを収集すべく、試験的な運行を行うものです。

2023年1月、SSPD-1はファルコン9によって宇宙へ打ち上げられました。このミッションでは、地球上で太陽エネルギーを収集することと、これを宇宙空間内で、また地球へ送信することが実施されます。また、宇宙において太陽光パネルを展開するためのメカニズムもテストされ、最新のソーラー技術を試す良い機会となっています。

プロジェクトにはDOLCE、ALBA、MAPLEといった3タイプのパネルが関与しています。これらはそれぞれ、先進的なソーラーパネル技術で、太陽光の収集とエネルギー伝送を最適化するために設計されています。

DOLCEは、ソーラーパネルからの電力を送信する機能を持っており、ALBAはエネルギー収集を担当します。また、MAPLEはワイヤレス送電技術を使ったエネルギーの地球への送信を行います。この三者の協力のもとで、宇宙からの効率的なエネルギー供給が実現されることが期待されています。

宇宙のソーラーエネルギープロジェクトは、まだ始まったばかりですが、未来を見据えた太陽光発電の革新に向けた大きなステップの第一歩となるでしょう。大規模なエネルギー供給体制を確立することで、地球上のエネルギー問題解決の一助となるかもしれません。皆さんも未来のエネルギーの形に期待を持って見守りましょう!