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ユーロ圏、対ドルで1年半ぶりの大幅な週高 - 関税リスク低下

2025-01-24

著者: 海斗

外国為替市場では24日の欧米時間帯に、ユーロがドルに対して続伸し、週間ベースでは約1年半ぶりの大幅高となった。域内の利下げ観測後の戻りに加え、米国による関税措置が緩和されてきたことが影響していると見られる。

ニューヨーク時間午後10時55分現在、前日比0.9%高の1ユーロ=1.0513ドルで取引されている。週間ベースでは2.3%高となり、2023年7月以来の大きな上昇率となった。強気の一因は週間ベースでのドル大幅安にある。

ユーロは昨年9月から下落傾向にあったが、トランプ氏が1月に米大統領に就任した後、欧州を対象にした関税措置を導入するとの懸念が強まっていた。しかし、同氏は未だに米国の貿易相手国に対して関税措置を強化する意向を示していないことから、ユーロに対する弱気を反転させる一因となった。

バンコク・シンガポール・ブリスベンの金融市場での取引やポジショニングにおいて、ユーロに対するショートスラングの売買も引き続き行われている.

具体的には、バリアユーロショックやテクニカル面、欧州中央銀行(ECB)に対する市場のプライシングやポジション、そのいずれもがユーロに対する強気を誘発する要因として指摘されている。

セントラルバンクの発表した1月のデータを受け、市場予想に反して堅調な成長を示していることも強気な展開を支えた。

仮にユーロが更に上昇を続けるようであれば、ドルに対する上昇局面は続くだろう。特に、米ファンダメンタルズの変化が促され、さらなるユーロ圏の支持を強化する材料となる可能性が高い。関税に関する問題、および米国の経済指標を含む動向は、今後も注視される。

今月のドイツB利回りが過去最安値を更新したことにより、投資家の関心が集まっており、ECBの政策決定に対する市場の期待も高まってきている。特に、ユーロ圏の成長・インフレ見通しに関する統計がこれからも発表されることで、更なる波及効果が期待される。

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