
育児への”見えない価値”とは?父親の育児参加で「子供の怪我が減る」と言う研究結果
2025-04-03
著者: 雪
育児に参加したい男性の意識
最近の意識調査では、「育児に参加したい」「子供と過ごす時間を大切にしたい」と考える男性の割合が8割を超えたとの報告があります。
しかし実際には、家事育児の多くが母親に偏っており、父親の育児時間は1日あたり1時間未満であるというデータがあります。
「参加したいけれど、どう関わって良いか分からない」「仕事との両立が難しい」といった声が多く、気持ちと行動の間にギャップが生じているのが現状です。
父親の育児参加の具体的な効果
では、男性が育児に関わることによって、子供にはどのような影響があるのでしょうか?
「育児参加=子供のためになる」と直感的に思う人も多いですが、その具体的な効果は未だ十分に知られていません。
今回、北海道大学の研究チームは父親による育児のメリットを明らかにするために、妊娠中の母親の育児参加率と子供の怪我の発生率との関係を見る研究を行いました。
研究の概要
研究には、2011年から2014年にかけて全国で登録された約10万人の親子が対象となりました。
分析では、子供が生後6ヶ月から4歳までの父親の育児行動(室内遊び、外遊び、食事の世話、おむつ替え、寝かしつけなど)を7項目に分け、それに基づいて数値化し、合計スコアを算出しました。
これにともない、「低群(0〜11点)」「中群(12〜14点)」「高群(15〜21点)」の3つのグループに分類して分析が行われました。
研究結果の発表
その結果、子供が生後4歳の間に受けた怪我(外傷・熱傷など)を経験したかどうかを質問票で確認し、父親の育児スコアとの関連を分析しました。
結果として、父親の育児が関わることで、子供の怪我の発生率が顕著に減少することが示されました。この調査結果は、父親が積極的に育児に関与することが、子供の安全に直接寄与する可能性を示唆しています。
今後の展望
このような研究結果を受けて、父親たちが育児に参加する意義が再認識され、育児の重要性を社会全体で考えるきっかけともなりそうです。特に、今後の育児環境の改善や、父親の育児参加を促進する施策が進むことが期待されています。