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一般道の青看板に「やけに高速的な標識」があったのですが… 明らかに違う“文字フォント”

2024-12-31

著者: 海斗

一般道の案内標識には、どことなく違和感を覚えるものが全国に多く存在しています。その原因は文字のフォントです。特に、青色の看板が使われる高速道路用の案内標識が、まるで一般道用に変わったかのような感覚を与えます。

青色版の看板は、ある種の高級感が漂いますが、その実、もっと注意深く見ると、一般道に設定されている道の案内表示の一部には、ほんのりとした違和感を感じることがあるのです。

一般道に設定されている、道の達地点(方面)などを示した青地の案内標識は一般的に、角ばったゴシック体と呼ばれるフォントが使われています。ただし、その標識は青色の板に、角ばったゴシック体の形で使用されているのが特徴です。

このような標識は全国に多く存在し、例えば東京の下町などでは全国316号(八王子バイパス)や、世田谷区の有名な高速の側道などで見られます。なぜ、通常の案内標識に角ばったゴシック体の看板が使われていないのか、そこには深い理由があります。

もともとは八王子バイパスの例では、出口手前に設定されています。その時点で、高速道路の看板の「青色版」といった形です。ちなみに道路形状は交差点ではなく、高速道路の分岐と同じ構造になっています。

それだけでなく、八王子バイパスは2015(平成27)年度まで一部有料でして、当時はNEXCO中日本が管理しており、標識も高速道路の形式となっていました。しかし現在、八王子バイパスを管理するのは国土交通省交通政策所です。

各地でおける道路標識類は、国道で各地方整備局で設定される「土木工事標準設計集」に基づいて使用されるフォントが明記されています。ここでは標識のフォントとして、角ゴシック体の「ナル」が規定されているのです。

一方、NEXCO各社は独自の設計要領を有しており、標識には「ひらぎの角ゴシック」を用いることが明記されています。前述の東名高速の側道で使われているものをNEXCO中日本に尋ねたところ、「NEXCOの設定する標識であるため、NEXCOの設計要領に基づいて製作されている」とのことでした。国や県の管理下にある道路を走っている際には、それに見合った標識のフォントが使われているというわけです。