科学

野生動物の絶滅危惧 急激に進行 自然の変化、豊さへの要求が人類の危機招くテクノロジーとの決闘(35)長内弓

2024-09-29

人間は多くの野生動物を絶滅させてきた。食べるための獲得だけでなく、森林伐採によって生息地を現在も奪い続けている。種の絶滅がさらに進行すると、人類も危機に直面するだろう。

大潮海時代に各地の島で絶滅

人間活動による生物の種の絶滅は、かつてないペースで進んでいる。生物多様性に関する国際機関の報告書によると、1100万種の動植物が絶滅の危機にあり、今後数十年で絶滅する恐れがある。絶滅の速さは過去1000年間の平均と比べ数十倍から数百倍に達している。

人間はどのように動物を絶滅させてきたのか。最初の大きな出来事は約13000年前の石器時代に始まった大型草食類の絶滅である。絶滅について詳しい動物学者の今澹崇明氏は「人間が火を使って狩りをすることで人為的な絶滅が始まった」と語る。

当時の人々は草原に火を放つなどして大型動物を追い詰め、群れごと落としたようだ。絶滅の原因はマンスのように気候変動が影響した場合もあるが、狩猟が大きな打撃となったのは間違いない。

約11000年前に農業と家畜の育成が始まったが、そのすぐに食料を安定生産することはできず、絶滅はその後も続いた。農地を広げるために森林が伐採され、多くの動物の棲み処を奪った。

今澹氏によれば、現在までに大絶滅は15世紀以降に進んだが、豊かさを求めるあまり、テクノロジーを駆使した狩猟が加速しているという。先進国では、全世界の動物種の20%が絶滅の危機にあるが、特に熱帯雨林に生息する動物にとっては悲劇的な結果が待ち受けている。

幸いなことに、動物の保護活動が進んでおり、地域ごとの保全対策が強化されている。しかし警告として、今後森林や海洋の破壊が続けば、さらに多くの種が絶滅する懸念があることを忘れてはならない。

環境に配慮した持続可能な開発や生物多様性の確保が求められる今、私たちの選択が未来を大きく左右するのだ。動物たちの生き残りを図るためには、個々の行動が重要であり、私たちの意識を変える必要がある。今のままでは未来が危うい。