
【研究結果】女性と男性で異なる運動神経の働き — パーキンソン病の新たな性差を発見
2025-07-28
著者: 結衣
概要
日本の複数の大学が共同で行った研究により、パーキンソン病患者において、男女間の運動神経活動に顕著な違いがあることが明らかになりました。この研究には、広島大学や京都大学、東京大学などが参加し、異なる性別による運動単位の特性を詳細に分析しました。
研究の背景
パーキンソン病はドーパミン神経の変性によって進行する運動障害を伴う病気です。特に、男女間で症状の現れ方が異なることが知られていますが、そのメカニズムは未解明でした。今回の研究では、HD-sEMG(高密度表面筋電図)を用いて、男女の運動単位の違いを解析し、初めて具体的なデータが得られました。
研究の結果
具体的な調査対象は、パーキンソン病患者27人(女性14人、男性13人)。この研究によると、女性は男性に比べ、以下のような特性を持つことが判明しました:
明らかな特性
・症状が強く現れる側の運動における左右差が顕著である ・持続的な内向き電流(PIC)が低下している傾向がある ・発火間隔が長く、不安定性が増加している これらの結果から、女性患者においては神経活動がより深刻な変化を示している可能性があると考えられます。
性差の影響
今回の研究では、女性において運動神経の変化がより顕著に現れることが示され、特に運動制御の側面で男性と異なるパターンが明るみに出ました。これにより、今後の治療方針や介入方法の個別化が期待されます。
今後の展望
研究チームは、「この研究は、パーキンソン病の性差に基づく理解を深め、より効果的な治療法の開発につながることを目指しています」と述べています。患者の特性を考慮したパーソナライズされた治療が、今後の主流となる可能性があります。
発表と関連情報
この研究成果は、2025年7月7日に「European Journal of Neuroscience」に掲載される予定です。