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⟨ヤバい林業⟩大津・関西万博のリングの木はどこの国から来たものか?木材のことを知らない建築家、木材業者、ハウスメーカ−担当者が多すぎる!

2025-01-15

著者: 健二

昨年、あるハウスメーカ−関係者の少人数の集まりに加わる機会があった。話題は木造住宅。メーカ−の社員たちは建築の最前線にいるのだが、口々に木造建築を増やす効用を説明した。それに加え、必要な木材をしっかり確保し品質を確認しているかという点を強調した。

さて、日本を含む世界規模での木造化推進の流れを確認しておこう。木造建築の需要は、住宅よりもオフィスや倉庫、店舗など非住宅系建築の分野で急速に広がっている。実際に木造プレハブの建築も次々と建てられ、新たな木造施設も構築中だ。現在、日本の特に東京・日本橋では、地上18階建て、高さ84メートルの「日本一の高層木造住宅棟」が建設されている。また、関西万博の目玉でもある「万博記念公園」にも大規模な木造構造物が建設される予定だ。

その流れの中、木材の生産が増加し、林業を中心とした経済動向が注視されるようになっている。木材は二酸化炭素を吸収し、炭素を固定するため、持続可能な建築資材としての価値が高まっている。さらに、木材を建設物として使うことで、強度を維持しつつ軽量化も可能になる。

加えて、木材生産が活発化することで、地域の経済も活性化される。特に地方の林業は重要な役割を果たし、地域の雇用創出や資源循環の観点からも注目されている。日本において、地元の木材を使った建設が進むことで、地域材の需要が高まり、持続可能な開発の観点からもプラスに働く製造業全体の底上げが期待される。なんと、役所もその認識に目を向け、さらなる森林の有効活用を進めている。

それでもなお、木材の利用促進に対する認識が薄い建築業界も存在しており、木材業者やハウスメーカー担当者に「木造が増えれば増えるほど、日本の山が補っていくことを知っていますか?」と問うことはしばしばある。

また、関西万博においても、新たな木材供給のルートや持続可能な建築の基準が設けられることが期待されており、これからの木材利活用の方針が注目される。今後の動向に目が離せない。