科学

X線天文衛星「すもく」が10年ぶりに大きく進展!日本の宇宙科学への影響は?

2025-01-11

著者: 健二

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2025年1月8日、X線天文衛星「すもく(ASTRO-EII)」が大気圏に再突入したことを発表しました。この衛星は、2005年7月にM-Vロケットによって打ち上げられ、遠方の天体のX線観測や高エネルギー光子の観測を目的としており、日本とアメリカの共同開発によるものです。

「すもく」は、5台のX線望遠鏡「XRT」(口径40cm)を搭載しており、高分解能X線分光器「XRS」や4台のX線CCDカメラ「XIS」を備えています。この衛星による観測で、約6000万光年先の「おとめ座銀河団」の構造を詳細に捉えることができました。その結果、いくつかの超巨大ブラックホールの存在が証明され、宇宙の進化に関する貴重なデータが収集されました。「すもく」の観測結果は、天文学における重要な成果となり、今後の研究に大きく寄与することが期待されます。

特に、2022年に観測した「IRAS F11119+3257」から得られたデータは、周囲の物質の流出速度を測定し、銀河の形成過程を深く理解する手助けとなりました。これにより、X線天文学の発展に寄与することが期待されています。

「すもく」の運用は当初2年間を予定していましたが、運用開始から10年を迎え、特に老朽化が影響を及ぼす中での観測データの提供に注目が集まります。JAXAは、2025年5月23日頃に再び大気圏での大規模再突入を予定しており、今後のプロジェクトへの影響も考えられます。

また、KAGRA(重力波観測所)やSOKENDAI(総合研究大学院大学)との連携が高まりつつあり、X線天文学における国際的な共同研究が進展することが期待されています。特に新型衛星「すもく」の成果を受けて、多くの宇宙プロジェクトがその観測機会を増やすことになるでしょう。宇宙探査・観測技術の向上が今後どのような革新をもたらすのか、目が離せない状況です。

JAXAのさらなるリリースや新しいプロジェクトにご注目ください!