健康

心筋梗塞後のβ遮断薬、最新の研究で驚愕の結果が判明!

2025-09-17

著者: 裕美

心筋梗塞後の治療が大きく変わる予感

心筋梗塞(MI)を経験した患者に対するβ遮断薬の長期投与の必要性について、2つの新たなランダム化比較試験(RCT)が発表され、医療界に衝撃が走っています。今回発表されたのは、欧州心臓病学会(ESC Congress 2025)での研究結果です。

先行研究においては、心筋梗塞後の患者に対するβ遮断薬の投与が有効であることが示されていますが、今回のRCTでは明確な反対意見が出てきました。REBOOT-CNIC試験ではβ遮断薬の「利益なし」とされ、BETAMI-DANBLOCK試験では「利益あり」との結果が得られたのです。このように、研究結果が真っ向から対立しています。

心臓機能に与える影響とは?

これらの試験では、心臓の左室駆出率(LVEF)が極めて低い(40〜49%)患者に対してのみ、β遮断薬投与の重要な解析が行われました。その結果、心血管イベントリスクは25%に制限されていることが示されました。

急性期の再灌流方法による血行再建、その後のステントや抗凝固薬、レニン・アンジオテンシン系拮抗薬などの使用を前提としたベストな医療と比較した場合、心筋梗塞患者の予後は劇的に改善し、心機能が保たれたことが明らかになりました。もしこの傾向が続くなら、β遮断薬の長期投与が果たして本当に必要なのか、更なる確認が求められます。

β遮断薬の未来は?

もともと心筋梗塞後のβ遮断薬投与は標準的な治療法とされていましたが、RCTの結果によりその位置づけが大きく変わる可能性があります。今後の研究結果に注目が集まる中、2024年にはさらなる先行研究REDUCE-AMIの結果が待たれています。この試験ではβ遮断薬の「利益なし」とされる見解が示されており、心筋梗塞後のβ遮断薬治療の是非を問う議論が一層白熱することでしょう。

医療界の常識に挑戦するこの新たな研究結果。心筋梗塞治療の未来、そして患者にとっての最良の選択は何なのか、これからの展開に目が離せません。