消費の好循環が起きる構造を可視化—消費者の「欲望」「消費」「心理変容」の因果関係から得られる示唆
2024-11-12
著者: 健二
今回は「消費の好循環の可視化」を試みた分析結果を紹介します。
デジタルマーケティングの領域で知られている調査データ本部(以下、DDD)は、定期的に「心が動く消費調査」を実施しています。この分析から導き出されたのが、今の消費者が持つ「11の欲望(図1)」や「消費の好循環(図2)」のフレームです。
今回のDDDは、これらの分析・研究を行った知見や経験を基に、2024年5月に実施された調査結果を踏まえ、さらに深い分析を行いました。具体的には「消費の好循環の可視化」を目的に分析を行い、どのような欲求が「消費の好循環」に繋がるのか、という因果関係を明らかにしました。この結果、実際に消費の好循環を証明するため、まず私たちは「心が動く消費」でのどのような要素(欲望)が満たされているのかを分析しました。
消費者の心理としては、「誰かの役に立ちたい、世の中の大切なものを守りたい」「好きなものを集めたい、好きな事に没頭したい」という2つの欲求が、心が動く消費の基盤であることが明らかになりました。さらに、「新たにやりたいことや、新しいものへの意欲がわいてきた」という消費者の熱意が生まれ、さらにその先に「同じ商品・サービス、または同じブランド・企業の同じタイプの商品の購入や、興味を持ちたい」という意向が高まっていることが確認されました。
この分析結果の見方も交えながら、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。分析によって明らかになった要素同士の関係性は、消費者の購買行動にいかに影響を与えるか、そして今後の消費促進にどう繋がるのかが問われています。同様に、消費者の心理的ニーズの高まりや、新しい発見に対する感情は、実に重要な市場の動向といえるでしょう。
今後、このような消費の好循環を実際に実現するために、私たちはどのような指標を基に成果を計測し、さらに消費者の意識を高め、支援を行うことができるかを示すことが求められています。人々の消費意欲がどのように進化していくのか、今後の調査および分析に注目が集まっています。