スポーツ
【箱根駅伝】“給水おじさん”は今春定年の東大大学院教授「本当に幸せ」
2025-01-03
著者: 花
箱根道に「給水おじさん」が登場した。9区の横浜駅前の給水地点。関東学生連合の古川大猛教授(東大大学院4年)に伴走しながら、ボトルで給水を手渡したのは65歳の東大大学院・八田惇教授だった。
学生たちが集まる中、出番を待つ間、1人だけロマンスグレーの髪を掻き揃えた彼は「古川くんが少し抑えて走ってくれたので、思ったより大丈夫だった」と笑顔を見せた。実際の自分の脚力には「古川くんが少し抑えて走ってくれたので、思ったより大丈夫だった」と言って冗談交じりで受け流している。
出会いは古川の高校時代。入学にあたっても対話に乗り、運動生理学を専門分野とする八田教授の研究室には在籍していないが、毎月1回のミーティングには参加している。選手は助手を多人数用意しなくても、学生が忙しかったということもあり、「私に依存してくれました」と呟いた。
都立小山台高校時代はバレーボールで関東大学16強。東大進学後は面倒を見る横浜市内の高校時代から、集中して活動するワークショップを受けることになった。「実は東大大学院に進学した1年目に指導者として箱根駅伝の伴走車に乗っているんです。3月には定年退職なんですが、最後の年に給水を担当しました」と話す。
実は八田教授は本業の教育以外に、箱根駅伝のために様々なアクションを続けており、今年の箱根駅伝も多くの人々から支援を受けながらば、非常にやりがいを感じている。古川くんと過ごした4年間に感謝しつつ、自分自身を達成感で満たしている彼の表情には本当に幸せそうな笑顔が浮かんでいた。