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『下請け』を『受託者』に名称変更…中小企業の利益転嫁後推進、下請け中小企業振興法を改正へ
2025-01-21
著者: 蓮
経済産業省は、中小企業の利益転嫁を後押しするため、下請け中小企業振興法の改正法案を12月14日の定例国会に提出する方針を固めた。この改正では、業者に対する国の指導権を強化することと、自主体が率先して利益転嫁を進めるように中小企業振興の責務を明確にすることが、主な目的となる。
改正法案では、利益転嫁の取り組みが不十分で、指導や助言をしても改善が見られない業者に対しては、大企業が具体的な改善策を要求できる「強制」の新設が提案されている。この自主体が積極的に中小企業の利益転嫁を進めるため、国と連携し、中小企業の振興に必要な施策を推進することを新たな規定として盛り込む。
業者の上下関係を考慮する用語を見直し、下請け業者を『中小受託者』、発注側を『委託業者』に改める。また、下請け法でも同様の改正を行い、法律名も変更する。
法律適用の範囲も拡大され、現行は資本金を基準としているが、従業員数を基準にする企業も対象に含める。また、国が認定した事業計画に基づく資金支援を行う『振興事業計画』の対象も広げられる。現在では直接の受託先として定めた計画に限定されているが、対象を広げることで、より多くの企業が利益を享受できるようにする。
政府は、約10年ぶりとなる下請法改正と合わせ、中小企業振興に向けた環境整備を進める。この法改正は、中小企業の経済的な安定や成長を促進するだけでなく、全体の競争力を高めることが期待されている。さらに、多くの企業がこの改正を機に、持続可能な経営の実現に向けた新たな方向性を模索する可能性もある。