世界

習近平、保護主義を批判 トランプ氏復帰願望か

2024-11-15

著者: 結衣

【リマ 15日 ロイター】 - 中国の習近平国家主席は、グローバル化のために一国主義や保護主義に抵抗する必要があるとの認識を示した。トランプ氏の米大統領選挙復帰を意識した発言とみられている。

中国の商務省が15日、首都リマで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、習主席の発言を読み上げた。

習主席は、特定の国や指導者に言及することなく、経済のグローバル化は「逆流」に直面していると指摘。「世界は新たな混乱と変化の時代に突入した。一国主義と保護主義が蔓延すれば、歴史の流れを逆転させることになる」と述べた。

さらに、「独自の立場を固持することが、過去の流れを逆転させてしまう」と警告し、「国際的な経済協力を強化し、互恵的共存を確実にするためには、緊密な協力が不可欠である」と訴えた。

習主席は、中国の政策については、「より独立した開放政策を実施し、世界に向けた高水準の自由貿易圏を構築することが、過去の流れを逆転させない鍵である」と強調した。これは、トランプ氏が提唱する「アメリカ・ファースト」政策への暗に反論するものとも受け取れる。

一方、トランプ氏は米大統領選挙への復帰を目指しており、彼の経済政策は保護主義的な側面が強い。そのため、習主席の発言は、国際的な経済環境に影響を与える可能性が高く、今後の米中関係にも大きな影響を及ぼすことが考えられる。