科学

西186年に目撃された超新星の残骸「RCW 86」【今日の宇宙画像】

2025-01-29

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今日は「宇宙画像」で特別な図を紹介します。soraeが過去に取り上げた特異な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像をお届けします。

今日、soraeが2023年3月7日の記事で紹介した「超新星残骸『RCW 86』」についてお伝えします。

超新星残骸とは、大質量星が超新星爆発を起こした後に形成される天体のことです。このRCW 86は、いわゆるIa型超新星爆発を引き起こした白色矮星から放出された物質によって形成されます。この超新星は、今から1800年以上前に人類の目に映った可能性があります。

この画像は、アメリカ国立科学財団(NSF)の国立光学・赤外線天文台(NOIRLab)によって取得され、RCW 86の位置が特定された地域からの視点で撮影されています。西186年に「客星」として現れた天体は、その後約8か月間にわたって観測された記録が、中国の歴史書「後漢書」に残されています。

RCW 86は、ウルトラ高温のガスで構成され、今でもその残骸が広がり続けています。特に、超新星SN 185としても知られるこの天体は、古今東西の天文学者により観測され、記録されている最古の超新星の一つとされています。

近年の研究では、RCW 86の爆発が地球に与えた影響についても注目されています。たとえば、放出された高エネルギー放射線が地球の生態系に及ぼす可能性や、大気中の酸素やオゾン層への影響が分析されています。このような超新星の研究は、宇宙の進化を探るうえで重要なカギを握っています。