無許可で栽培されたバラの増加が問題視されている。フリーマーケットでの無許可販売により、東京都に住む40代女性が栽培法違反（育成者権の侵害）容疑で書類送検された。

関係者によると、この女性は昨年9月から今年1月にかけて、アメリカのバラ育成会社「ディズニーポジション」、エディ・カールの商標を持つバラの数種を、同社の許可を得ずに販売していたとされる。彼女は販売の目的で自宅で育てていたが、東京都はここ数年新たに登録・育成された品種を無許可で販売することに対する規制強化を行っている。

この事件の背景には、無許可栽培がもたらす市場価格の乱れや、栽培者の権利を侵害する行為の増加がある。特に、家庭用栽培の普及により、自宅で育てられるバラの品質が向上する一方で、無許可販売する個人も増えているという。これにより、正規ルートで栽培された品種との差が広がり、ブランドの価値が低下するリスクも指摘されている。

また、バラの無許可栽培を防ぐため、東京都は市民向けの啓発活動を強化し、適正な栽培方法や販売時の注意点を周知している。「育成者の権利を守るため、許可のある品種を扱うことが重要です」と、農業関係者も語っている。

今後の対応として、規制強化だけでなく、正規の流通ルートを利用した情報提供やサポート体制を整えることが求められている。法的措置が進む中、消費者側にも倫理的な配慮が必要とされている。