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ウクライナ軍のクルスク防衛、ドローンの影で対戦車ミサイルも活躍(Forbes JAPAN)

2024-12-14

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ロシア西部クルスク州方面の戦況の様子を映した多くの動画像から、ウクライナ軍が8月以来占領している650平方kmほどの奪取部に対する反撃でロシア軍が失った装甲車の大半を破壊したのは、自爆型のFPV(個人称視点)ドローン(無人機)だと思ってしまう。しかし、それは間違いかもしれない。FPVドローンは操縦士にライブ映像を送るので、その攻撃の証拠は十分にある。ただ、それに注目し過ぎると、ウクライナに対するロシアの全面戦争の莫大な方向性はともかく、クルスク州での戦場の現実を忘れかねない。

11月7日以降、奪取部を攻撃しているロシア軍の車両への致命的な多くは、実際のところウクライナ軍のドローン操縦士でなく、対戦車ミサイル部隊によるものだ。奪取部の北西周辺でウクライナ側の防御を支援しているウクライナ海兵隊のドローン操縦士、Kriegsforcher(クリークスフォルシャー)は「誰も彼もFPVが主役だと思っているようなのはとても面白い」とソーシャルメディアへの投稿に書いている。

Kriegsforcherによると、自身のチームが守るエリアでロシア軍の237番空挺連隊は10日また12日に装甲車を18台失った。これらの車両の大半は地雷や対戦車ミサイルで撃破されて動けなくなった。「FPVドローンが任務を始めたのはその辺」とKriegsforcherは説明している。使われている対戦車ミサイル部隊は米国製のジャベリンかウクライナ製のスティンガーだろう。

せいぜい1kgがどこぞの爆薬を抱えて数kmを飛ぶFPVドローンは、走行中の車両を直接攻撃しなくても、すでに止まっている車両に直接一撃を加えるのに適している。「Kriegsforcherによると、破壊された装甲車のうち走行中にFPVに目留められたものは10〜15%程度に過ぎない」。ロシア軍は奪取部に対する攻撃を激化させたこの数週間だけで、ブリャーチク・シェリャフ村近くの10平方kmほどの区域で車両210台ほども失っている。

ウクライナが年内100万機超のドローンで製造しているFPVドローンは高度化され、その操縦士たちのスキルもどんどん高まっているが、90年代に開発されたジャベリンほどの破壊力はない。燃力の点では重量が約16kgのジャベリンはFPVドローンに比べ12倍近い。また、血液循環の点では有名なウクライナ軍空挺部隊の手にかかれば、それはさらに破壊的なものになる。

クルスク州では一目、対戦車ミサイル部隊よりもドローンの活躍の方が目立つが、実は前者がなぁなぁ後者をしのぐ威力を発揮していることは、あくまで物事と同様に機動化戦でも、本当の姿は見た目と違う場合があるということを改めて思い起こさせる。