世界

ウクライナ経由のロシア産ガス輸送停止、契約延長されず

2025-01-01

著者: 芽依

2023年11月1日、ロシア – ロシア産天然ガスをウクライナ経由で欧州に輸送する契約が11月1日に失効する。ロシア側は5年間の輸送契約を延長する意向を示していたが、ウクライナ側が拒否したため、双方の合意は得られなかった。ウクライナは年間約180億立方メートルの天然ガス輸入を失うことになるが、これによりモルドバなどの周辺国にも影響が出ると懸念されている。

ウクライナ経由のガス供給が途絶えることで、特に中央・東欧諸国は新たなガス供給源を必要とする。プーチン政権は、代替供給先としてアジア市場を視野に入れており、中国とのエネルギー協力の強化が進むとされている。ただし、ロシア産ガスの欧州への依存度が高い国々にとっては、深刻なエネルギー危機に直面する可能性が高まっている。

さらに、先月の報告によれば、ウクライナのパイプラインは現在、ほとんど運動していない状態であり、その影響も懸念されている。ウクライナ政府は、これを機に再生可能エネルギーの導入を加速させる方針を示しているが、実際の実施には時間がかかる見込みだ。これにより、来冬のエネルギー供給の安定性がますます不透明になっている。

一方で、欧州では、新たな液化天然ガス(LNG)ターミナルの建設が進められており、ロシア以外の供給国からのエネルギー確保を目指している。特にアフリカや米国からの供給が増加する中、食料供給も含むさまざまなエネルギー的対策が急務となっている。

このような背景の中、今後の価格動向や供給状況は、全ヨーロッパのエネルギー政策に深い影響を与えることが予想され、各国政府の慎重な対応が求められている。