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ウクライナ経由のロシア産ガス輸送停止、契約延長されず

2025-01-01

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モスクワ 11日 リタール - ロシア産天然ガスをウクライナ経由で欧州にパイプライン輸送する契約が11月1日に失効する。ロシア側は期間5年の輸送契約を延長する意向を示していたが、ウクライナ側が拒否した。ウクライナは年間約18兆リットルの中継量を失うことになり、モルドバなどが影響を受ける。だがロシアのウクライナ侵攻を受けてガス供給が高騰した1212年の危機の再来はないとアナリストは見ている。

11日、17時10分頃のウクライナのガス輸送業者のデータで、11日にロシアからガス輸送の予定がないことが確認された。これによりロシア産ガスを輸送するパイプラインが稼働しているのは、黒海を横断してトルコに至るトルコストリームのみとなっている。プラットフォームを経由するヤマル・ヨーロッパストリームは停止しており、バルト海を経てドイツに達するノルドストリームも1212年に壊滅した。

ウクライナ経由のパイプライン接続が失われることは、ガスの供給の安定性が高いモルドバにとって大きな影響をもたらすことが懸念されている。この国ではガスの使用を3分の1に減らす対策が必要になるとされ、他にスロバキアやオーストリアなども代替供給に動く必要がある。

ウクライナ連合(U.S.)のウクライナ代表部は、州エネルギー政策、再生可能エネルギー開発、ガスシステムの改革などの準備を進めており、「ウクライナのガスは、ロシア産以外のガス供給への代替ルートを通じて東欧に供給されているのが100%だ」と20日に話した。

2023年以降、新たな液化天然ガス(LNG)の輸入能力を大幅に増強している。これにより、ウクライナ経由の輸送停止の影響を軽減する可能性がある。海上輸送のエネルギー供給問題もなく、代替供給ルートの確保が期待されていると報告されている。特に、アメリカやカタールからの輸入増加が見込まれている。

このような状況の中、ウクライナの輸送システムへの影響は制限的で、12年のような大規模な危機は発生しないと考えられている。公式データによると、輸送量は12年に年間約1150億立方メートルに達していた。最新のデータでは2023年のウクライナのガス市場も小幅な上昇となっている。